エネルギー大臣のご臨席のもと、インド・中東・欧州経済回廊構想を主導する中で、サウジアラビア王国は再生可能エネルギーおよびグリーン水素の欧州輸出に関する国際的なパートナーシップを強化

サウジアラビア王国のエネルギー大臣、アブドルアジーズ・ビン・サルマーン・アール・サウード王子殿下のご臨席のもと、再生可能エネルギーおよびグリーン水素を欧州へ輸出するための統合的なシステム構築を目的として、リヤドにおいて、ACWA Power社と複数の国際的パートナーとの間で複数の協定および覚書が締結された。
これらの協定および覚書の締結は、国際物流連携の強化において王国が果たす先導的役割、およびインド・中東・欧州経済回廊(IMEC)構想における主導的立場に基づくものであり、東西を結ぶ戦略的な地理的要衝としての王国の位置づけを反映している。
本協定等は、エネルギー省の監修のもと、ACWA Power社が主催した国際ワークショップ「再生可能エネルギーおよびグリーン水素の輸出」において締結された。同ワークショップには、サウジアラビア、ギリシャ、フランス、ドイツ各国政府の高官に加え、世界的な専門企業および国内主要機関の代表が出席し、王国が進めるエネルギーミックスの多様化と、クリーンエネルギー分野における地域・国際連携の強化に関する進展が紹介された。これにより、王国が信頼性の高いエネルギー供給国としての地位を確立するとともに、東西を結ぶ経済回廊構想における中核的な役割を担う姿勢が明確に示された。
本ワークショップにおいてACWA Power社が締結した主な合意事項には、イタリアのEdison社、フランスのTotalEnergies社、オランダのZero Emissions Europe社、ドイツのEnBW社など欧州の主要企業との間での、多国間覚書が含まれている。本覚書は、王国において再生可能エネルギー源から生産された電力を欧州へ輸出するための協力に関するものであり、欧州市場における持続可能なエネルギーソリューションの商業的可能性および市場動向の評価が目的である。
また、ACWA Power社は、電力連系技術の専門機関との間でも複数の覚書を締結した。これには、独立した技術顧問としての役割を担うイタリアのCESI社、およびHVDC(高電圧直流送電)技術における世界的な先進企業であるPrysmian社、GE Vernova社、Siemens Energy社、日立社などが含まれる。これらの覚書は、国境を越えたインフラの信頼性と効率性を高める最新の送電ルートの開発を目的としている。
さらに、ACWA Power社は、EnBW社とともに「ヤンブー・グリーン水素センター」の第一段階開発に関する共同開発契約を締結した。同センターは、2030年の商業運転開始を目指す大規模プロジェクトである。
「ヤンブー・グリーン水素センター」は、再生可能エネルギー発電施設、海水淡水化プラント、電解装置、グリーンアンモニア変換設備、ならびに専用の輸出ステーションを含む、統合型プロジェクトである。本プロジェクトにより、王国は競争力のあるコストでクリーンエネルギーを生産し、低排出代替エネルギーに対する世界的な産業需要に応える体制を構築することが期待される。
今回のワークショップおよび協定・覚書の締結は、インド・中東・欧州経済回廊における王国の地理的優位性を基盤とした主導的役割を再確認するとともに、サウジアラビアが有する国際競争力を明確に示すものである。また、王国が国際・地域のエネルギー連系プロジェクトを推進することにより、持続可能かつ柔軟な未来のエネルギー体制の構築に貢献し、「サウジアラビア・ビジョン2030」の目標達成に資するものである。