「主要買電者」社、総発電容量4,500メガワットの再生可能エネルギー五つのプロジェクトを落札 ダワードミーが風力発電で世界記録を樹立、ナジュラーンが太陽光発電で世界第二位を記録

サウジアラビア王国エネルギー大臣であり、サウジアラビア電力購入会社「主要買電者」理事会会長を務めるアブドルアジーズ・ビン・サルマーン・ビン・アブドルアズィーズ・アール＝サウード王子殿下の臨席のもと、風力発電による新たな電力生産プロジェクト一件と、太陽光発電による新規電力生産プロジェクト四件の落札が行われた。

ダワードミーにおける風力発電プロジェクトは、世界における風力発電からの電力生産コストで最も低い新記録を樹立した。一方、ナジュラーンの太陽光発電プロジェクトは、サウジアラビア国内のプロジェクト「シュアイバ1」に次いで、世界第二位の低コストを達成した。「シュアイバ1」プロジェクトは、すでに太陽光発電による電力生産コストの世界最低値（1キロワット時当たり1.04米セント）を記録しているものである。

これら五つのプロジェクトの総発電容量は4,500メガワットに達し、総投資額は90億サウジリヤル（24億米ドル）を超える。本プロジェクトの落札は、エネルギー省が監督する「国家再生可能エネルギー計画（National Renewable Energy Program）」第六段階の一環として行われたものである。

落札されたプロジェクトは以下の通りである。

ダワードミー風力発電プロジェクト（リヤド州）：

韓国電力公社（KEPCO）、ネスマ再生可能エネルギー社、アルイッティハード水・電力社のコンソーシアムが実施。発電容量は1,500メガワットで、電力生産コストは1キロワット時当たり5.01760ハララ（1.33803米セント）。風力発電における世界最低コストを更新した。

ナジュラーン太陽光発電プロジェクト（ナジュラーン州）：

アブダビ・フューチャー・エナジー社（マスダル）が実施。発電容量は1,400メガワットで、電力生産コスト（LCOE）は1キロワット時当たり4.11307ハララ（1.09682米セント）。これは「シュアイバ1」プロジェクトに次ぐ世界第二位の低コスト記録である。

ダルブ太陽光発電プロジェクト（ジャーザーン州）：

アブダビ・フューチャー・エナジー社（マスダル）が実施。発電容量は600メガワットで、電力生産コストは1キロワット時当たり5.10262ハララ（1.36070米セント）。

サームタ太陽光発電プロジェクト（ジャーザーン州）：

サウジ電力会社およびフランスのEDFエネルギーソリューションズ社によるコンソーシアムが実施。発電容量は600メガワットで、電力生産コストは1キロワット時当たり5.57544ハララ（1.48678米セント）。

アッスフン太陽光発電プロジェクト（ハーイル州）：

アルジュマイフ・エネルギー・水社およびトタルエナジーズ・リニューアブルズSAS社によるコンソーシアムが実施。発電容量は400メガワットで、電力生産コストは1キロワット時当たり5.65074ハララ（1.50686米セント）。

これらのプロジェクトおよびそれぞれが達成した国際的に競争力のある電力生産コストは、国家再生可能エネルギー計画の一環として、サウジアラビアが再生可能エネルギー開発分野で世界的に主導的地位を占めていることを示すものである。本計画は「サウジ・ビジョン2030」の目標達成に寄与し、2030年までに最適な電力生産のエネルギーミックスを確立することを目的としている。

こうした国際競争力のある価格が実現した背景には、効率的な資金調達および開発モデルの採用、エネルギー省が実施する地理的調査プロジェクトの成果の活用、ならびに王国の投資環境への信頼の高まりが挙げられる。

なお、サウジアラビア電力購入会社（主要買電者）は、発電プロジェクトの事前調査、入札実施、および開発コンソーシアムとの電力購入契約（PPA）締結を担う機関である。2025年末までに予定される再生可能エネルギー発電プロジェクトの総容量は64ギガワットに達する見込みであり、第六段階のプロジェクト契約締結をもって、締結済みの総電力購入契約容量は43.2ギガワットに達する。このうち12.3ギガワットはすでに稼働・送電網に接続済みである。

国家再生可能エネルギー計画の詳細については、公式ウェブサイトhttp://powersaudiarabia.com.saを参照されたい。